Swinerton、Matterportの活用でスムーズな工事の進捗を確保

時代を先取りするイノベーター、Matterportをいち早く導入

1888年設立のSwinertonは、初期のプロジェクトとして、サンフランシスコの有名なフェアマウントホテルを鉄骨鉄筋コンクリートで完成させました。当時としては斬新な手法で、1906年に同市を大地震と大火災が襲った際にも、同ホテルは数少ない残存建築物の一つとなりました。

これ以降、同社はイノベーションを重視して、新しい市場や地域への進出を進めてきましたが、変わらないものもあります。Swinertonは引き続き最先端技術を駆使し、前例のない事態に際してもプロジェクトを安定的に進めています。新型コロナウイルス感染症の拡大により世界中でロックダウンが行われる中でも、建設事業は必要不可欠なビジネスであり続けました。ソーシャルディスタンスの確保で現場への物理的なアクセスが制限される状況で、同社はプロジェクトを計画どおりに進め、顧客に進捗状況を明らかにする必要があったのです。

幸運にも、Swinertonではパンデミックが始まる数年前からMatterport Pro2カメラを使い始めていました。このカメラを使ってデジタルツインを取得して、プロジェクトチームと関係者に現場の現状を示す3Dウォークスルーを提供することで出張にかかる時間とコストはゼロになりました。

「企業として効果的に業務を進めるため、業界内で利用可能な新しい技術を活用したいと考えています。Matterportの採用はそうした技術の一例です」同社の特別プロジェクト担当アシスタントプロジェクトマネージャーのRachel Kurth氏はそう説明します。「感染症の拡大以前は、利便性の観点からMatterportをお客様に提供していましたが、今では必要不可欠なツールとなっています」

対面でのミーティングが不要に

SwinertonはMatterportを適用するワークフローの範囲を広げることで、パンデミック関連の制限への対応にとどまらず、よりよい働き方を見出すことができました。Pro2カメラを使用して20,000平方フィートの空間の高精細3Dスキャンを数時間で作成することができるようになっています。このスキャンは顧客、建築家、エンジニアやサブコンサルタントに送信され、各自が空間のデジタルツインの中を簡単に移動し、リアルタイムで変更を提案することができます。同社にとってMatterportは3Dサイトのドキュメントリソース以上の価値があり、特定の問題に関連するスキャン要素の測定や分析を行い、関係者と直接連携して解決策を導き出すためにも活用しています。

同社のある顧客は、大量の木材を使用した建物の内装を全面的にリノベーションしたいと考えていました。同社は週に一度、Matterportでスキャン作成し、木の美しさと梁の完全性を維持しながら、導管、配線、ダクト周りの作業を調整しました。こうした繊細なプロジェクトの調整には顧客の建築家との対面でのミーティングが通常欠かせませんが、コロナ禍では不可能です。コロナ禍発生以前でも、現場への移動でプロジェクトに数日の遅延が発生することもありました。Swinertonでは、Matterportのデジタルツインを更新して顧客に案内し、的を絞った質問をして翌日までにそれに回答することで、実地でのミーティングの必要性をなくしました。こうしたアプローチにより、プロジェクト期間は4週間も短縮しました。

コロナ禍発生以前には、機械・電気・配管（MEP）エンジニア、建築家、顧客の担当者、第三者の検査官が現場へ実際に足を運び、歩き回って配管から塗装まですべてを評価していました。こうした検査にMatterportを使うことでMEPエンジニアや建築家が現場を訪れる回数が50%低減しました。また、Matterport 3Dを使った包括的な現場レポートを顧客に提供することもできるため、顧客の担当者が現場に足を運ぶ必要もありません。

「新型コロナウイルスで事業が停滞するおそれがありましたが、Matterportのおかげで逆に効果が高まっています。2次元の設計図と図面と違い、Matterportデジタルツインでは空間のつながりを把握できます。そのため当社のお客様は足を運ばなくても室内を体験できるのです。Matterportは当社と不動産業界にとって画期的な製品です」（Swinertonの施設管理者、David Purdy氏）。

明瞭なコミュニケーションで顧客の確信度を向上

プロジェクト完成には明確なコミュニケーションが不可欠ですが、関係者が実際に集まって現場を確認できない状況では、その緊急性がさらに高まります。Swinertonでは、金融業界の顧客企業のための9万平方フィートのオフィス空間建設などの大規模プロジェクトで顧客に最新情報を提供し、関与してもらうためにMatterportを活用しています。

Swinertonでは新型コロナウイルスの勃発前には、ノースカロライナ州シャーロットの現場での見学と現場報告を2か月ごとに行うために、フィラデルフィアに拠点を置くチームを呼び寄せるのが通例でした。パンデミックの間、工事の進捗状況に関する詳しい最新情報を頻繁にシェアするためにSwinertonは毎日デジタルツインを取得して、顧客に週次ダイジェストを送信することで、チームが出張する必要性を100%排除しました。

また、Matterportの活用で同社のチームメンバー間、さらに請負業者との間のコミュニケーションも効率化しました。プラットフォームはAutodesk BIM 360と統合されているため、デジタルツイン内でユーザーはすぐに

参照や議論すべき箇所へのフラグの追加ができます。Swinertonはこうした問題を記録し、解決まで追跡することができます。

「Matterportの導入で、測定や計算など、従来の現場訪問の際に必要だった作業のすべてがバーチャルで完了できるようになりました」とSwinertonでプロジェクトエンジニアを務めるSpencer Jarrett氏は説明します。「Matterportのデータをお客様と共有することで、計画どおりに進行しているという安心感を持っていただけます。迅速に意見も交換できるため、プロジェクト期間を1年から6か月に短縮することができました」

空間データで時間とコストを節約

プロジェクトの履歴をデジタルで保存しておけば、問題解決もスピーディになります。金融業界の顧客のプロジェクトで最上階のキッチンのパントリーを作る際、配管業者が調理機器へ配管する際に必要となるジョイントの上にタイル業者がタイルを貼りました。Swinertonは過去のMatterportスキャンから寸法を取り出して、ジョイントの正確な位置を決定し、壁を手作業で壊してジョイントの場所を確認する手間と追加費用を省きました。

また、83戸のマンションと店舗を建設するプロジェクトでは、費用がかさむ可能性のある問題をピンポイントで事前に解決することができました。このプロジェクトでは構造を支えるプレストレストコンクリートのスラブが必要でしたが、この場合、スラブを流し込んだ後にケーブルを締め付ける必要があります。工事中にケーブルに当たってしまうとスラブ全体が崩れてしまう可能性があるため、繊細な作業が求められます。

SwinertonはMatterportを使ってスラブ打設前の画像を撮影しました。2日後、スラブにアンカーを追加する必要が突発的に生じたのですが、その時に下した判断が功を奏することになりました。スラブをX線で撮影する代わりに、Matterport 3Dスキャンを使って素早く測定を行ったのです。

Matterportの利用から生まれる透明性は、エラー予防だけでなく積極的な計画にも役立ちます。例えば、ある顧客は、大規模な木製建築物のリノベーションに際し、シートロックの設置前に数部屋の照明スイッチを移動できないかと同社に尋ねました。Matterportのデジタルツインを使って壁を壊さずにこうした変更の可否を示すことができ、顧客側の費用を数千ドルも節約することができました。

Swiertonは現在、Matterportをプロジェクトの中間目標と完了のパンチリストプロセスに組み込んでいます。MEPエンジニアは、ダクトの位置やタイルの配置のような項目をより広範に評価できるようになり、建築士は塗装の拾い塗りなど美的な問題を見つけることができるようになりました。

「当社では、競争力を維持するために新しい技術に投資していますが、比類のない顧客サービスへの注力が意思決定の原動力となっています」とRachel Kurth氏は説明します。「マイルストーンのスキャンをキャプチャすることで、お客様に透明性の高い体験を提供できます。これにより当事者意識が生まれ、プロジェクトを最後まで完遂する自信を持つことができます」

SWINERTONについて

Swinertonはカリフォルニア州を本拠地とする建設会社で、全米でプロジェクトを展開し、4,000人以上の従業員を擁しています。1888年の設立以降、現在もカリフォルニア州の建設業者ライセンス番号92で営業しており、優れた職人技と顧客サービスで定評があります。

www.swinerton.com 

本社
カリフォルニア州サンフランシスコ

業界 
建築/エンジニアリング/建設（AEC）

課題
コロナ禍でも建設プロジェクトをリモートでシームレスに継続する

製品 
Matterport Pro2

解決策 
Matterportを使ってさまざまな施工段階にあるプロジェクト現場の正確で質の高いスキャンを取ることで、遅延を回避し、移動時間も半分に短縮しました

成果

• 顧客の移動時間を100％削減
• MEPおよび建築士の出張時間を50%削減
• 4週間のプロジェクト遅延の可能性を解消
• 費用のかかるエラーと再作業を防いで顧客のコストを数千ドル節約