ATI、Matterportで不動産の修復プロセスを加速化

何より貴重なリソースが時間である状況

2021年2月にテキサス州を襲った極渦と停電は、2017年にテキサス州沿岸を襲ったハリケーン・ハービーよりもひどい破壊をもたらしました。このハリケーン後に保険金を請求した不動産所有者数は50万人でしたが、氷雨を伴う寒波後の損害報告者数は70万人を突破しました。

テキサス州に2つのオフィスを持ち、災害用トレーラーを迅速に地域に配備したATI Restoration, LLC（ATI）はいつでも支援できる体制を整えていました。同社は米国最大規模の家族経営の修復業者で、火災、ハリケーン、地震、他の自然災害または人災後の不動産修復を専門にしています。ATIのサービスへのニーズは大変大きく、大災害の後には当然、需要が一気に高まります。

「大災害に見舞われた地域に赴く際、最も重要なリソースは時間、そして建物を修復して生活習慣を取り戻せるようにできるだけ迅速に作業する能力です」とATIの業務改善/技術部門ディレクター、Robb Harrell氏は指摘します。「適切な技術を使用することで、迅速かつ正確に作業に当たれます」

コミュニティのニーズに迅速に対応

ATIの顧客は大抵ひどい苦境に置かれており、住宅地や商業用不動産が修復されるまで何か月も生活と生計は断絶されました。人々が元の生活に早く戻れるように支援することが極めて重要です。

最近まで、時短の観点から屋根の損傷は航空写真で撮影するのが最も効果的でした。保険会社はその費用負担を渋っていましたが、現在ではそれが当たり前になっています。ATIは、屋内外の空間を対象とした3Dスキャンが保険・復旧業界における次の革命となると確信しています。

「テキサスでは多くの不動産管理会社と取引していました」とHarrell氏は言います。「現地で起こっていることへの関心は非常に高く、国内の複数の資料関係者に被害の深刻度や影響を受けた建物の数を伝えるには、3Dスキャンが何よりも効果的な方法でした」

ATIは、空間測定機能に加え、没入型3Dの4K画像を活用したいと考えてMatterportに投資しました。今では、Matterport Pro2で検査を行い、見積もり担当者はそのスキャンをダウンロードして修理内容を自宅やリモートオフィスから計算することができます。下請業者も同様に、現場に行かなくても必要な仕様を入手することができます。その結果、測定精度が格段に向上し、現場での検査が劇的に速くなり、修理や保険請求も迅速に行われるようになりました。

Matterportスキャンは非常に綿密で正確なので、現場に戻る必要はめったにありません。現場訪問の回数を減らすだけで、コストと時間が大幅に節約されます。社員1人あたりの現場往復費は年間平均で13,190.71ドルです。災害発生後、多くの社員が各拠点に出張しなければならないので、このコストはすぐに膨らみ巨額になります。

Xactimate用Matterport TruePlanで見積もりプロセスが加速

ATIがMatterportを導入する以前は、同社の現場見積もり担当者が巻尺やレーザーメジャー、写真、スコーピングなどを使って紙ベースやXactimate Sketch（建築物の損傷計算、修繕費用の見積もり、不動産損害明細書の生成、請求申請書の作成を行うVeriskのソフトウェア）内で作図を行っていました。現在では、ATIの技術担当者はMatterportスキャンからワンクリックで正確なスケッチを生成できる世界初のサービス、Xactimate用Matterport TruePlanを活用し、見積もりプロセスの平均4倍高速化と保険請求サイクル短縮を実現しています。 

TruePlanの導入で、複雑度が中程度の30,000平方フィートの物件の測定とスケッチにかかる作業時間が3日半も短縮。このプロジェクトディレクターは同様の業務を10件抱えていたため、合計ではおよそ 32日分の作業時間が短縮できたことになります。

「紙とペンでスケッチをする時代は終わりました」とHarrell氏は語ります。「Matterport 3DスキャンとXactimate用TruePlanの活用で、損害の見積もりに必要な正確な戦略データが効率的かつスピーディに生成できるようになっています。また、スケッチの精度も全体的に向上しています。従来のスケッチの精度スコアは平均で87～90%でしたが、Matterport TruePlanは99%の精度を誇ります」

手作業でのスケッチが不要となったことで、ATIでは、見積もり担当者1人当たり年間で100,000ドル以上の人件費に相当する時間の節約に成功しました。 

3Dで描く保険の未来

Matterportテクノロジーは現在、災害が発生した後だけでなく保険サイクル全体に組み込まれています。「Matterportを使用すると、保険契約が最初に作成された時点で、保険会社はリスクを理解することができます。災害が発生した後、Matterport 3Dスキャンは、損傷と進行中の修復の状態を正確にキャプチャした後、すべての修復が完了した後の建物がどう見えるかを示します」とHarrell氏は言います。

保険業界と修復業界にとってもう1つの重要なメリットがコンテンツをアーカイブできることです。「今から3年あるいは5年後に物件で財物損失が生じた場合、 クラウドから3Dスキャンをダウンロードして、損傷が発生する前の物件の状態を確認することができます。最新の保険契約が作成された時点ではそのようなことは不可能でした」とHarrell氏は言います。

災害の発生時にもMatterportを活用すれば、保険会社や復旧業者が時間と費用を節約できるだけでなく、被災者が早急に元の生活に戻れるようになります。

ATI Restoration, LLCについて

ATI Restoration, LLC（ATI）は家族経営企業として米国最大規模の災害復旧事業者です。地震、ハリケーン、火災などの大規模災害後の復旧作業を専門としいます。ATIはカリフォルニア州アナハイムの本社と23のサテライトオフィスに1,200人の従業員を擁しています。https://atirestoration.com/

本社
カリフォルニア州アナハイム

業界 
復旧

課題
災害後に被害を受けた物件を徹底的に検査、スケッチ、修復するために必要な時間を短縮する。

製品 
Matterport Pro2
Xactimate用Matterport TruePlan 

解決策

ATI Restoration, LLC（ATI）はMatterportを使って、被害を受けた建物を3Dでキャプチャおよびスケッチして、検査、見積もり、修復のプロセスを劇的に加速化しています。

成果

• 測定精度が87～90%から97.5～99%に向上
• スケッチ時間における生産性が5倍向上
• 損害の見積もりにかかる時間が4倍スピードアップ
• 現場訪問数の減少に伴い費用が削減